脳疲労、放っておくと大変なことに…

「脳疲労」「ブレインフォグ」とは?

「脳疲労」とは、スマホやPCからの情報過多やストレスなどが原因で、脳がオーバーヒートを起こしていることを言います。脳がオーバーヒートを起こすと、睡眠不足になったり仕事中のミスが増えたり、業務のパフォーマンスが低下します。

「ブレインフォグ」とは、常に頭にモヤがかかっている状態で、脳に対する継続的なストレスや慢性疲労、睡眠不足や自律神経の乱れ(メンタルの不調)などが原因で起こります。

どちらも継続的に身体にストレスがかかっているため自律神経のバランスが乱れ、常に交感神経が優位の状態になります。そのため不眠やイライラ、うつ状態などの症状が現れてしまいます。

なぜ脳疲労やブレインフォグで自律神経が乱れるのか?

人間の脳には大脳新皮質と大脳辺縁系という司令塔があります。大脳新皮質は、思考や学習などの精神活動を、大脳辺縁系は食欲や性欲などの本能や情動を担っています。

また大脳の下には、自律神経中枢や食欲中枢などを司る間脳があります。間脳は自律神経を司っていて、意識しなくても心臓がキチンと適切なリズムで動いたり、適切にエネルギーを体に入れるための食欲をコントロールしている脳です。

脳がオーバーヒートを起こすと、大脳辺縁系が機能不全を起こし、それが大脳新皮質にも影響していきます。最終的に自律神経をつかさどる間脳にも影響を及ぼすため、自律神経が乱れてしまうというわけです。

放っておくと認知症になる恐れも…

脳のオーバーヒート状態が続くと、認知症を発症する危険度が高くなると言われています。

認知症の1つであるアルツハイマー型認知症は、たんぱく質「アミロイドβ」が蓄積することが原因と言われています。この「アミロイドβ」は、酸化ストレスによって蓄積が進行します。

脳を酷使すると(脳のオーバーヒート状態)活性酸素が溜まっていくため、活性酸素が溜まり続けるとアミロイドβが蓄積されてしまいます。

そのため、脳への酸化ストレスが多い人は、アルツハイマー型認知症を発症するリスクが高くなる可能性が高いため、脳疲労を放っておくと最終的には認知症になる恐れもあります。

脳疲労やブレインフォグの場合、どんな症状が現れるのか?

もし下記のような症状がある方は、脳疲労を患っているかもしれません。

大したことない、と放っておくと最終的には認知症になってしまうかもしれませんよ。。

  • 記憶力が低下してきた
    集中力が低下してきた
    思考力が低下してきた
  • 頭の中で判断→実行に移すまでに時間がかかるようになった
  • ボンヤリする時間が増えた
  • 目が疲れる、乾く
  • 朝までぐっすり眠れない
  • 朝起きるのが辛い
  • 食事を楽しめない、美味しいと感じない
  • 便秘がち
  • わけもなくイライラする
  • 飽きっぽくなってきた
  • 頭がモヤモヤする
  • 頭がぼーっとする
  • 頭痛
  • 不眠(睡眠障害)
  • 気分の落ち込み
  • 不安感
  • 頭がぼーっとして集中できない
  • 頻繁に物事が思い出せなくなる
  • 相手の話が頭に入ってこない
  • 今までできた仕事が上手くできない
  • 今まで問題なかったのに、普段の音がうるさく聞こえる
  • 何をするにも億劫で考えがまとまらない

脳疲労やブレインフォグに鍼灸治療がお勧め

鍼灸治療は、筋肉の過度な緊張を和らげ、血行を促進し症状を改善する治療です。自律神経の乱れは首や肩、背中に強い凝りが現れてくるため、これらの凝りや血行をよくし、また、末梢循環の低下も改善していく事が重要になります。

鍼灸治療を行うと身体が軽くなり、気分も落ち着き、心も晴れやかになっていきます。身体が軽くなると心も軽くなっていきます。身体の調子を整えることにより心の調子も整えられる、と言えます。

鍼治療がなぜ心を落ち着かせるのか

脳波学的研究では、心地よいと感じられる鍼刺激(鍼通電刺激も含む)を行うと、大脳皮質全体からα帯域の脳波が現れると報告されています。これを「広汎性α」といい、十分にリラックスした時に見られる現象になります。

では、何故このような特異な脳波所見が生じるのでしょうか?

それには、大脳皮質の活動レベルを左右する脳幹網様体賦活系の関与が考えられると言われています。この脳幹網様体賦活系の活動が心地よい鍼刺激で抑制されるとの報告があります。すなわち、鍼刺激が脳幹網様体賦活系の活動を抑制を介して大脳皮質の活動を沈静化させることによりリラクゼーションが生じるものと考えられます。

さらに、リラクゼーションや心の落ち着きに関与すると言われているセロトニンの影響を調べた結果では、鍼刺激によって側坐核のセロトニンは増加しました。(ブレインマイクロダイアリス法により直接側坐核にプローブ(測定用透析膜)を挿入し、意識下で物質を測定するもの)

脳内セロトニンの増加は、ストレスの緩和や心を落ち着かせる作用があるとされ、逆に不足すると抑うつ状態に落ち込むとされています。

上記のように鍼灸刺激は中枢神経機能と脳内生活活性物質の挙動にも影響を及ぼし、リラクゼーション効果を引き起こすものと考えられます。

参考文献:https://www.jsam.jp/pdflib/kiso_p22.pdf


脳疲労、放っておくと大変なことに…

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